週刊OSM 439

 

2018/12/11-2018/12/17

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地域のポスターを作成してみましょう。(開発者:Hans Hack) 1 | © hanshack.com, map data © OpenStreetMap contributors

OSMF理事選

  • OSMF理事選挙は投票権をもつ1041人中681人が投票を行い、パッサウ(ドイツ)のTobias Knerr氏とベルギーのJoost Schouppe氏が選出されました。理事として活躍していたPeter Barth氏とMartijn van Exel氏が退任となります。選挙は単記移譲式投票によって行われました。投票結果も公開されています。
  • Rory McCann氏はOSMF理事候補者に対し、DWGが下した決定が変更されたことへの意見を聞きました
  • Frederik Ramm氏(OSMF会計担当)が年次総会向けに会計報告書を提出しました。OSMFメーリングリストでも議論されています。なおビットコインで寄付された分を換金しなかったことについて批判の声も上がっています。
  • SunCobalt氏が2017/1/1から2017/12/31までの監査報告をしています。
  • OSMF会長のKate Chapman氏が年次報告を公開しました。

マッピング

  • ビジネス情報を簡単にOSMに追加・編集できるウェブサイトOSMyBiz (OpenStreetMap My Business)が公開されました。このサービスはラッパースヴィール応用科学大学(スイス)の Geometa Lab が開発しました。
  • 一年のうちごく短期間だけ水が流れる川などをタグ付けするephemeral=*をWarin61氏が再提案しました。
  • パイプラインのバルブに関する詳細をタグ付けする提案がFrançois Lacombe氏から提出されました。
  • Leif Rasmussen氏は公共交通機関の運行間隔を登録するためのタグを提案しました。現在投票を受付中です。
  • フランスのOSMコミュニティは11月の「今月のプロジェクト」で警察署をマッピングしました。Noémie Lehuby氏がosm.frでプロジェクトの成果を報告しています。
  • Quartzは東南アジアで配車アプリを運営するGrabがサービス向上のために行うマッピング活動を紹介しています。しかし記事の中ではGrabから委託を受けたGlobalLogicがインドネシアタイで行うOSMの編集には議論の的になるものが多いことには触れられていません。
  • 東経・西経180度では変なことが起こります。JOSMではノードが選択できず、すぐ近くにある地物が何万kmも離れていることになり、ルート検索も不可能になったり、いろいろです。180度線をまたぐウェイの扱いについてフォーラムで質問がありました。180度線でウェイを分割することでうまくいったと報告されています。

コミュニティ

  • 100回目となったチューリッヒのOSMミートアップがケーキで祝われました。
  • OSMマリコミュニティのメンバーがNGO幹部向けに講習会を開催しました。この講習会はオープンデータ組織Cafdoから支援をうけて実施されました。
  • CouwelierTim氏はベルギーコミュニティがIRCやRiotといったインスタントメッセージングサービスで行われたやりとりのまとめを毎週openstreetmap.beOSMフォーラムで紹介しています。

OpenStreetMap Foundation

  • OSMF理事にはHOTの現役理事や役職経験者が3人おり、今回のOSMF理事選挙でも2人のHOTメンバーが立候補し議論の的になりました。HOTの共同設立者で役員経験も持ち、現在はプログラムディレクターを務めるNicolas Chavent氏もOSMF理事にHOT関係者が増えていると指摘しています。この状況は様々な議論を呼び起こしいて、Frederik RammはHOTのみが人道的OSMである状況を打破するためにOSMFに人道支援ワーキンググループを提案していたり、Rory McCann氏はHOTサミットが同性愛禁止の法律がある国で開催されたことを引き合いに出して行動規範に従っていないと批判しています。新理事のTobias Knerr氏は同じ団体組織からOSMF理事になれるのは一人だけにするというマニフェストを掲げていました。
  • DWGが2018年第3四半期のレポートを公開しています。
  • 11/811/29のに行われたSotMワーキンググループミーティングの議事録が公開されました。

イベント

  • SotM2019(ハイデルベルク、ドイツ)の学術セッション向け査読者募集は2019/1/3が締め切りです。
  • State of the Map 2019ハイデルベルクのウェブサイトが立ち上がりました。

OSM人道支援

  • カトマンズの最新衛星写真を使い、Kathmandu Living LabsとHOT社が協力して建物マッピングを実施しました。2015年の地震被害で実施されたクライシスマッピングで作成された低品質データの修正も実施されました。なおPierre Béland氏は、エボラ出血熱のクライシスマッピングでも同じように低品質のデータが作成され、「初心者のやり逃げマッパソン災害だ」と嘆いています。
  • HOTは2019年に10件の少額支援制度を運用するために40,000ドルを目標にした資金調達キャンペーンをスタートさせる予定です。
  • 2019年9月19-20日に第5回HOTサミットがハイデルベルク大学(ドイツ)で開催されます。21-23日に同場所で開催されるSotM2019の前日開催です。併せて5日間OSM漬けになるチャンスです。
  • Chris Eshun氏(地理情報工学科3年)がHOTのOpen Cities Accraプロジェクトに参加した経験をHOTブログに投稿しました。

地図

  • Wikimediaが運営するOSMベースの地図タイルサーバーtiles.wmflabs.orgとwma.wmflabs.orgは古いUbuntuで動いているため、サーバのメンテナンスに手を上げる人がいなかった場合、この年末で停止する予定です。詳細はPhabricator ticketで。
  • ウェブ・アート開発者Hans Hacker氏が、ワンクリックでOSM建物データを使ったポスターを作成できるサービスを作成しました。このポスターは地域の「指紋」のようにも見えます。Hack氏のほかのプロジェクトもご覧ください。

オープンデータ

  • EU全域で交通量の予測値を提供・可視化するウェブサイトopentransportmap.infoをRichard Fairhurst氏がTwitterで紹介しています。道路データの一次ソースとしてOSMが使われています。

ソフトウェア

  • Fabian Kowatsch氏(ハイデルベルク大学地理情報技術)が、ohsomeOSM履歴分析ツールとQGISを使って、都市のOSM建物データの発展を可視化する方法について解説しています。

プログラミング

  • Jochen Topf氏が、Osmiumライブラリ2.15.0、Osmium PyOsmium 2.15.0のPythonバインディング、Osmiumコマンドラインツール1.10.0、OSMCoastline 2.2.1を公開しました。詳細はブログで。

リリース

  • JOSMがFlathubのFlatpakとして利用できるようになりました。Flathubとは、サンドボックス環境とパーミッション管理を有したソフトウェア配布ユーティリティであり、そのなかでアプリケーションを独立して実行できるようになっています。

その他の “ジオ” な事柄

  • Ash氏が「メルカトル地球儀」を発明しました。
  • アフリカの政治問題に市民が関与を深めるためには、デジタルツールの普及が重要であるという記事が Le Point 誌に掲載されました。市民参加の例として、OSMベースで作成されたセネガルの選挙区マップが挙げられています。
  • Andrew Douglas-Clifford氏が、OSMデータ、LINZデータ、NIWAデータを使って、ニュージーランドで一番行きにくい道路から一番離れた場所の地図を作成しました。この地図はRedditNewsHubでも話題に上がっています。

まもなく開催

場所名称開催日
AlicePoliMappers Adventures 2018: One mapping quest each day2018-12-01-2018-12-31everywhere
プリシュティナKosovo Meetup / Takim në Kosovë2018-12-20kosovo
レンヌRecensement des panneaux publicitaires2018-12-23france
ライプツィヒOpenStreetMap assembly2018-12-27-2018-12-30germany
デュッセルドルフStammtisch2018-12-28germany
Greater Vancouver areaMetrotown mappy Hour2018-12-28canada
ビエッラIncontro mensile2018-12-29italy
リヨンRencontre mensuelle pour tous2019-01-08france
ドレスデンStammtisch Dresden2019-01-10germany
ベルリン127. Berlin-Brandenburg Stammtisch2019-01-10germany
レンヌRéunion mensuelle2019-01-14france
トゥールーズRencontre mensuelle2019-01-16france
カールスルーエStammtisch2019-01-16germany
ザルツブルクMaptime – Stammtisch2019-01-16austria
フライベルクStammtisch Freiberg2019-01-17germany
モンペリエState of the Map France 20192019-06-01-2019-06-03france
ハイデルベルクHOT Summit 20192019-09-19-2019-09-20germany
ハイデルベルクState of the Map 2019 (international conference)2019-09-21-2019-09-23germany
グラン・バッサムState of the Map Africa 20192019-11-22-2019-11-24ivory coast

Note: ここであなたのイベントを見たい場合は、カレンダーにそれを 入れてください。そこにあるデータのみが、週刊 OSM に表示されます。 カレンダー 内で都市や国に言及するのを忘れないでください。

This weeklyOSM was produced by Nakaner, Rogehm, SK53, SunCobalt, derFred, k_zoar, muramototomoya.